新宿高野本店

fluitfullifestyle

8月号

2017 August

No.51

福島県産 “桃”

果樹栽培に適した気候、豊かな土壌の福島県は桃をはじめ果物の宝庫!
栽培管理日誌やモニタリング検査など、徹底した管理のもと自信を持って美しい桃が出荷されています。

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東北地方に位置する福島県は、北海道、岩手に次いで3番目に面積が広く、浜通り、中通り、会津の3つの地方に分けられています。今回取材に伺った中通り地方に位置する福島市は、桃の栽培が盛んに行われています。福島県は桃の生産量が第2位。代表品種「あかつき」をはじめ、今後を担う品種として期待される「まどか」など、福島県ならではの美味しい桃をご紹介します。

桃の栽培が盛んな福島市は、桃以外にも、ぶどう、りんご、梨、さくらんぼなど多様な果物が栽培されています。年間を通して雨量は少なく、夏は高温多湿、冬は寒冷と盆地特有の気候により、1年を通して様々な果物が栽培できる豊かな土地です。
県を代表する桃の品種といえば「あかつき」が有名ですが、今、次世代を担う品種として注目されているのが「まどか」です。実が締まっていて熟しても果肉がしっかりしており、果汁が豊富で甘さもたっぷりあるのが特徴です。完熟しても果肉が崩れにくいので、パフェなどにとても適した品種だそうです。そして9月中旬以降に出回る「さくら」は、今回取材でお世話になった、JAふくしま未来の福島地区本部 地区部次長齋藤さんと営業部 園芸課 園芸係長佐藤さんもお墨付きの極晩生種です。果肉はしっかり締まっているのに、食感はトロッとしていて、格別な味わいが楽しめるそうです。ただ、極晩生種なので、台風や秋雨の時期と重なるリスクがあるため、栽培には大変労力がかかるそうです。
福島県の桃栽培は、果実に袋を掛けない無袋栽培を中心に行っています。主力品種の「あかつき」や「まどか」は、収穫するまで太陽光をたっぷり浴びて出荷されています(品種によっては袋掛けする場合もあります)。そして、木に実っている期間が長いこともポイントになっています。期間が長い分、木から栄養を得ることができるので、コクのある食味になると言われています。  桃を出荷するためには、県では徹底した管理方法が構築されています。作業した内容を記す栽培管理日誌や、どんな農薬をいつ、どのくらい使ったかなどが分かる防除管理日誌などを生産者は必ず提出する決まりがあります。そして現在では問題の無い数値である放射線量も、消費者に安全であることを伝えるためにJAではモニタリングを続けています。安全と分かっていても続けることで、さらに消費者に安心してもらうためだそうです。美味しい桃を食べてもらうために、細心の注意を払いながら出荷しているからこそ、高品質の桃が食卓に届けられています。
代表品種「あかつき」に続き、優良な品種が多数栽培されている福島県産の桃に、今後も目が離せません。

岡山県産 “白桃”

岡山県赤磐(あかいわ)市、総社(そうじゃ)市でそれぞれお話を伺いました。

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[赤磐(あかいわ)市]
「桃栽培のエキスパートだった 父親を超える良質の桃を目指す」
赤磐市は「果樹栽培の祖」として知られる、小山益太氏が生まれた街。その門下生だった大久保重五郎が白桃の生みの親といわれています。岡山の桃を代表する白桃誕生のルーツとなった赤磐市で、桃栽培の未来の担い手となる生産者にお話を伺いました。

赤磐市は、緩やかな丘陵地と平野が広がる桃栽培の適地。河本一平さんは、若手生産者のホープです。「元々父親が桃の生産者だったのですが、体調を崩したこともあり、4年ほど前から本格的に桃栽培を始めました。高校生のころも手伝いはしていたのですが、いざやってみると分からないことばかりで。始めた当初は父親が闘病中の中でも、電話やメールで教えてもらったり、周りの桃生産者の方たちに助けてもらったり、勉強会や様々な研修会などに参加して知識を得たりと、なんとか作業をこなして無我夢中で出荷していましたね。現在は加納岩白桃、清水白桃、おかやま夢白桃など計8品種をリレー方式で栽培しています。ここまで来るのには、父親の助言と周りの支えがあってこそだと思っています。いずれ父親を越せるような、最高の桃を収穫できるようになりたいですね。」

[総社(そうじゃ)市]
出荷前に硬度、食味を最終チェック! 生産者と行う「目合わせ会」
総社市は総社もも生産組合が中心となって、クオリティの高い桃を出荷している優良産地。若手から熟練生産者までが切磋琢磨して、栽培から選果まで一丸となって取り組んでいます。品種の初出荷に必ず行われる、貴重な「目合わせ会」の様子を取材しました。

仲買業者も見る機会が少ないという「目合わせ会」を取材しました。「目合わせ会」は、それぞれの品種の初出荷前に各生産者が園地から桃を選果場に持ち寄って、色味、硬度、食味などをチェックして、総社もも生産組合としての収穫基準を決める大切な場です。この時は次の日から出荷が始まるという加納岩白桃でした。まず硬度計を使って硬さを計り、持ち寄った桃を並べ、果皮の色味も確認します。並べることで果皮がベストな色味なのか、まだ青いかなどが分かりやすくなります。次にそれぞれの桃をカットして食味を生産者とともにチェックします。食味や硬さ、果皮の色味などを総合的に見て話し合い、収穫のタイミングをそれぞれの生産者に指示します。いざ出荷が始まっても初日はかなり厳しく再検査をするそうです。その時にまだ青みが強いなど、収穫が早かった場合などはすぐに園地に電話連絡し、生産者ができる限りベストな状態で収穫できるよう即対応できる体制をとっています。品種も多く、土壌や木など園地によって桃の状態は様々です。だからこそ「目合わせ会」をすることで、生産者は収穫する時期を見極められ、組合全体で高品質な桃を安定して出荷することにつながっています。

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    若手の総社もも生産組合の皆さんが中心となり、持ち込まれた桃の硬度を確認。
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    桃をカットし、持ち込んだ生産者とともに食味を確認。総合的にみて、収穫時期を話し合います。

大分県産 “かぼす”

周年栽培技術の開発により、今では1年中、高品質の「大分かぼす」が楽しめます。

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酸味が強いとされる香酸柑橘の中でも、糖度が高く酸味がまろやかな「かぼす」。大分県では国内生産量の9割以上を栽培しており、「かぼす」は県を代表する特産果樹です。8月末ころから旬を迎える「大分かぼす」の魅力をご紹介します。

山間部が多い地形で、日照時間が少なくても栽培できる「かぼす」は、大分の風土に合っており盛んに栽培されています。現在、国内出荷量の約97%のシェアを誇っています。
昭和48年にはハウス栽培がスタートし、現在では3月頃から出荷が始まる加温栽培の技術も構築されました。これにより、年間を通して質の高い「かぼす」を供給できる体制が整い、安定した出荷が実現しています。
「大分かぼす」は甘みが強く酸味のバランスが非常に良いのが特徴です。焼き魚からお味噌汁まで幅広い料理に合うのはもちろん、ジュースやスイーツにも使用できるのが最大の魅力です。今回開催する「新宿高野 大分かぼすフェア」でぜひ味わってください。

大分県カボス振興協議会直伝!
おいしい「かぼす」の絞り方

「かぼす」を横に半分に切り、それをさらにくし形にカットすると、絞ったときに果汁が飛び散りにくくなります。右の写真のように果皮を下に向けて、果汁と果皮に含まれる香りのエッセンスが同時に出るように、やや斜めにして搾るのがコツ。 8等分にくし形にカットした「かぼす」を冷凍して、氷代わりに使用するのもおすすめです。

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鳥取県産 “和梨”

甘いだけじゃない酸味のバランスが絶妙なシャキシャキ食感の二十世紀。

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梨には赤梨と青梨があるのはご存知ですか? 関東でよく見かけるのが、果皮が黄金色の「幸水」や「豊水」などの赤梨です。青梨は果皮が美しい緑色をしている「二十世紀」が代表品種です。鳥取県東伯郡湯梨浜町では100年以上も前から栽培しており、日本一の生産量を誇ります。甘みと酸味のバランスが絶妙な、暑い時期にぴったりな「二十世紀」をご紹介します。

鳥取県の中央部に位置し日本海に面した湯梨浜町は、緑色の果皮が美しい「二十世紀」の一大産地。東郷池から湧き出る温泉の「湯」、二十世紀の「梨」、そして日本海に広がる砂浜の「浜」を組み合わせた町名で、町の魅力が表現されています。
自然豊かな湯梨浜町で「二十世紀」が栽培されるようになってから、今年で111年目を迎えます。東郷池を囲んだ南部と南東部には山地が広がり、その斜面を利用して栽培されています。緩傾斜地に加え、花崗岩系の土質が多いことから水はけがよく、さらに東郷池に太陽光が照り返すことで、園地に満遍なく陽光が降り注ぎます。梨栽培に適した恵まれた環境の産地だからこそ、高品質な「二十世紀」が収穫できるのです。
「二十世紀」は5月ごろの可愛らしい幼果の時期に、サイズに合った小袋を掛け、病害虫から果実を守ります。6月ごろには、さらに大きな袋を掛ける作業があります。二度にもわたり袋を掛けるという手間暇かけた工程は、病気・害虫を防ぎ美しい緑色の果皮に仕上げるためにとても重要です。大袋の掛け方にも特徴があり、袋の底の真ん中部分を凹ませて風の抵抗を抑え、強風による実の落下を防いだり、袋の底が下に来るように掛けて雨水が中に入っても、下から出やすいようにと工夫されています。こういった繊細で丁寧な作業を、生産者が労力を惜しまず行うことで、程よい酸味が効いた爽やかな甘みと、歯切れのよい食感が楽しめる良質の「二十世紀」が作られるのです。
鳥取県では他にも様々な品種の梨が栽培されています。また、100年以上にわたって培われてきた高い栽培技術をいかし、新たな品種の育成にも力をいれています。中でも赤梨の「筑水」と青梨の「おさ二十世紀」を交配して誕生した、鳥取県のオリジナル新品種「新甘泉(しんかんせん)」は、たっぷりの甘みとシャリッとした食感、そして芯の際まで甘いのが特徴です。「東郷梨」ブランドとして湯梨浜町の「二十世紀」をはじめ、新品種「新甘泉(しんかんせん)」などが楽しめる、新宿高野で開催される「鳥取県梨フェア」でぜひ、その美味しさを味わってください。