新宿高野本店

fluitfullifestyle

10月号

2018 October

No.65

和歌山県 “柿”

和歌山県北部を流れる紀の川両岸の丘陵地帯は、生産量日本一を誇る柿の一大産地。
「刀根早生柿」や、「平核無柿(ひらたねなしかき)」などの渋柿、甘柿の「富有柿」を主に栽培しています。
今回はその中でも「平核無柿」を樹上で脱渋処理をする、果肉にゴマをふったような黒い斑点が特徴の「紀の川柿」をご紹介します。

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シャリシャリ食感とたっぷりの甘み、 サクサクとした食感の「紀の川柿」

和歌山県の北東部に位置する伊都地方は紀の川が流れ、複数の地質が帯状に配列され、保水性と排水性のバランスが良い恵まれた土壌です。柿が成熟する前の夏から秋にかけては昼夜の寒暖差が10度ほどにもなり、この気温差が柿の美味しくなる重要なポイントになります。伊都地方の風土は、柿栽培の好条件が揃った適地といえます。
柿には「タンニン」という渋みの成分が含まれています。この「タンニン」が水溶性であるため、食べた時に唾液に溶けて渋みを感じるそうです。「富有柿」のような甘柿は実が赤く色づくころには自然に「タンニン」が薄まり、渋を抜かなくても甘くなると考えられています。「平核無柿」のような渋柿には、収穫時期になっても「タンニン」が含まれているため、収穫後に選果場で数日掛けて、脱渋処理を行うのが一般的です。炭酸ガスなどで脱渋することで「タンニン」が不溶性に変化し、口の中で溶けないので渋みを感じなくなるそうです。今回取材した「紀の川柿」はこの脱渋処理を、樹上で一つ一つ丁寧に袋を掛けて行います。熟してから収穫するので、糖度がとても高くなるそうです。そして果肉には、特徴でもある黒いゴマのような斑点が出ます。これによりサクサクとした食感になるそうです。

柿は古来より日本の風土に育まれたフルーツです。

現在は柿の様々な品種が市場に出まわっています。柿の人気ナンバー1は「富有」です。ナンバー2は「次郎」で、甘くて大きい「太秋」が続きます。また関西では「西条」が人気です。柿の品種は完全甘柿と完全渋柿に大別できます。完全甘柿の代表は「富有」「次郎」「太秋」「早秋」です。完全渋柿の代表は「平核無(ひらたねなし)」があります。不完全甘柿としては神奈川県川崎市柿生が発祥の「禅寺丸」があります。「平核無」は新潟が発祥ですが、和歌山県紀の川流域で盛んに栽培されています。その紀の川流域の「平核無」を樹上で脱渋した柿が「紀の川柿」と命名されています。脱渋されることでゴマが入ったように色づき甘くなります。日本の秋の風物詩として欠かせない柿は、日本を代表するフルーツです。

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長野県小布施町産 “ブラムリー”

料理用りんごのブラムリー。
今までにないその新鮮な味わいが料理研究家やレストランのシェフ、愛好家から注目されています。

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信州・小布施町では、1991年に町興しの一環としてブラムリーリンゴの栽培に着手。その後、今までにない新鮮な味わいが話題となり、愛好家の輪も広がっています。ブラムリーは、英国でクッキングアップルの王様として今でも不動の地位を占めています。英国生産のりんご約20万トンのうち約45%がブラムリーです。一般的に料理用リンゴは日本では馴染みがありませんが、ブラムリーは色々な食材と合わせることでデザートや料理の幅が一段と広がる、今注目の料理用リンゴです。加工に適した爽やかな酸味を持ち、すぐ煮溶けるのが特徴。主な用途としては肉料理に合い、パイ、クランブル、焼きりんご、ソースなどバラエティーに富みます。この料理用リンゴという新しい食材の魅力と特性に料理専門家やパティシエ、愛好家などの間でも注目が高まっています。小布施町ではブラムリーを栗に次ぐ、町の名産に育てようと様々な取り組みを行っています。

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栗菓子の名産地として名を馳せる小布施。
気候風土が生み出す美味しい栗や果物など秋の味覚満載の小布施です。

信州・小布施町は昔から豪農豪商が多く、葛飾北斎をパトロネージしたり、小林一茶を招いて句会を開いたりと文化風土の高い土地柄でした。また江戸時代から交通の要衝として栄え、現代に引き継がれる洒脱な小布施の気風が育まれたようです。小布施を訪れるとまず感じるのは町のお洒落なたたずまい。他に先駆けて町の景観整備を何十年も前から行い、古い伝統を守りながらも現代的なセンスや快適性を実現させるというヨーロッパ的なまちづくりが行われています。それはまさに住む人に心地よく、その地に足のついた取り組みが、町の雰囲気となって訪れる人を魅了します。
小布施は昔から栗の名産地として知られており、栽培は室町時代からすでに始まり、江戸時代には将軍家に献上し、小布施栗は全国的に名を馳せていました。松川の水質が栗の生産に適していたとか。その品質は今も変わることなく、数ある栗菓子屋さんが味を競い合って、小布施の栗菓子は全国的な名産品となっています。そのはじけそうなほどツヤツヤに実った栗は、栗おこわや栗羊羹、栗かのこなどの銘菓となって多くの方に喜ばれています。また、気候条件に恵まれた小布施は、その扇状地に育つ栗やリンゴ、葡萄、桃などのフルーツが多く栽培され、ジャムやジュースなどに加工され、新たな小布施ブランドを構成する商品に育てられています。

熊本県産 “太秋柿”

濃厚な甘さが特徴の、食味に優れた「太秋柿」。
熊本県が生産量日本一を誇ります。

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栽培が難しく、市場に出回る数が限られている貴重な品種「太秋柿(たいしゅうがき)」は、熊本県が生産量日本一を誇ります。シャリシャリとした食感と濃厚な甘さが特徴の、食味に優れた「太秋柿」の魅力をご紹介します。
柿には甘柿と渋柿がありますが、甘柿の「富有」をベースに「次郎」と「興津15号」を交配させた完全甘柿で、昭和52年に国の研究所で生まれました。「太秋柿」の木は、実の方にたっぷりと栄養を与える特性があるので、木自体が弱まりやすいなど、生産者が努力と労力をかけて栽培しなければ収穫までたどり着けないほど難しいそうです。しかし、熊本県は栽培の難しさよりも食味に優れた美味しい「太秋柿」を食べてもらいたいという思いから、品種登録されてから約20年の歳月を経て、平成10年から本格的に販売をスタートしました。「太秋柿」は果皮の表面に「条紋」という黒い渦巻き状の筋がでる特徴があり、見栄えが良くないことも他県であまり栽培されていない理由の一つです。しかしこの「条紋」こそが、糖度が高い印なのです。県民の情熱と愛情が詰まった「太秋柿」は、サクサクとしたまるで梨のような食感と、たっぷりの果汁と濃厚な甘みが魅力です。新宿高野で開催される「熊本県産太秋柿フェア」でぜひ味わってください。