新宿高野本店

fluitfullifestyle

3月号

2017 March

No.46

【3月号 特集・柑橘】山口県 “ゆめほっぺ”

春限定で楽しめる柑橘として注目されている「ゆめほっぺ」。
甘みたっぷりでプチプチとした食感が特徴的な、山口県生まれの柑橘です。
厳しい果実品質基準があり、合格して初めて「ゆめほっぺ」として店頭に並ぶ希少な柑橘をご紹介します。

特集メインイメージ

山口県は北部と西部は日本海、南部は瀬戸内海と三方が海に開かれています。県中央部には中国山地が走っている地理的特性から、様々な農産物が作られています。その中でも、周防大島町は年間平均気温15.7度と比較的温暖な気候で、柑橘の栽培が盛んに行われ「ゆめほっぺ」の主要な産地となっています。山口県だけで栽培しているオリジナル品種の「せとみ」の中から、一定の果実品質基準を満たしたものだけを「ゆめほっぺ」として出荷しています。まずJA山口大島選果場で選果されることが必須条件です。そして糖度、酸度共に基準値を満たし、傷も少なく果形も美しいこと、すべてがクリアして初めて「ゆめほっぺ」として市場に出回るのです。
「ゆめほっぺ」は露地栽培が中心で、低温や寒さ焼け、鳥害を防ぐために袋掛けをしています。この袋掛けが生産者にとって、もっとも労力のかかる作業なんだそう。しかし「ゆめほっぺ」は見た目も重要視されるため、生産者は苦労を惜しまず手間を掛けて高品質を目指し育てています。
「ゆめほっぺ」の収穫時期のピークは、1月下旬から2月上旬ころです。収穫後は各生産者の冷蔵庫や倉庫で1ヵ月から1ヵ月半ほど保管します。貯蔵することで酸が抜けていき、より甘みが増すので、このひと手間がとても重要な工程となります。そして3月中旬ころから出荷され店頭に並びます。「甘くて頬が落ちそうなほど美味しい」の意味も込められた「ゆめほっぺ」の名前の由来通り甘みが強く、プチプチと弾けるような食感が楽しめます。手で簡単にむいて食べられる手軽さも魅力。「ゆめほっぺ」は味や品質を重視した、山口県独自の基準を設けた山口県産100%の「やまぐちブランド」に登録され、県を代表する5銘柄の特産物が集結した「ぶちうまファイブ」にも選ばれています。「ぶちうま」とは県の方言で「ものすごくうまい」の意味です。春限定で味わえる、ぶちうまな「ゆめほっぺ」をぜひお楽しみください。

  • 特集サブイメージ小
    果実品質基準をクリアした証のシールが貼られた「ゆめほっぺ」
  • 特集サブイメージ小
    プチプチとした弾力のある独特の食感が楽しめます。

【3月号 特集・いちご】長崎県 “ゆめのか”

日本の最西端に位置する長崎県は、温暖な気候に恵まれたいちご栽培の適地。
海と山に囲まれ、自然豊かな環境で育てられた長崎いちご。
その中でも主力品種として次世代を担う、大玉で果汁たっぷり、甘みと酸味のバランスが絶妙な「ゆめのか」をご紹介します。

特集メインイメージ

豊かな自然と温暖な気候に恵まれた長崎県は「ゆめのか」の一大産地
6月まで楽しめるのが魅力

いちご栽培に適した温暖な気候で育った、長崎いちごの中でも一大産地となっている「ゆめのか」の魅力を、JA全農ながさきの園芸部 野菜課 調査役の田辺浩史さんに伺いました。「JA全農ながさきが主力品種の「さちのか」に続く後継品種を、全国を回って探していたところ、「ゆめのか」に出会いました。長崎県の温暖な気候など環境が品種に適していたのはもちろん、大粒で果汁が多く、甘さと程よい酸味のバランスが良く食味も素晴らしいことから、これだと思い導入しました」。
「ゆめのか」の栽培技術を確立するまでは、失敗も経験したそうです。「2012年から栽培を始めたので、今年で5年目を迎えます。導入当初は「さちのか」の栽培方法と同じように育てていたのですが、灌水方法や温度管理など違いが多く、試行錯誤を繰り返しやっと「ゆめのか」に一番合った栽培方法が確立しました。今では全生産者にマニュアル本を配布して、さらなる品質向上と安定供給を目指しています」。
「ゆめのか」ならではの生産者のご苦労もあるようです。ほかの品種の花びらは自然と散るのですが「ゆめのか」は散りにくいのが特徴。花びらが付いたままの状態でパックに詰めてしまうと、そこから傷むこともあるそうです。なので生産者は手間を掛けて丁寧に花びらを取り除く作業をしています。収穫する時間帯にもこだわりがあり、早朝から9時くらいまでの糖度が高いタイミングで収穫を終える早採りを実践しています。収穫後はすぐに鮮度と品質を保持するために各生産者の予冷庫で保管します。このような生産者の努力と労力により高品質の「ゆめのか」は出荷されています。甘さと酸味のバランスの良さ、歯ごたえのあるしっかりした食感、そして色鮮やかな果皮と、見た目も美しく食味に優れた「ゆめのか」は、11月から6月ころまで長い期間楽しめるのも魅力の一つ。今後、長崎いちごを牽引していく新品種として大注目です。

  • 特集サブイメージ小
    果皮がしっかりしているので、傷みにくく日持ちするのが特徴
  • 特集サブイメージ小
    豊富な果汁と甘さの中にもほどよい酸味のある「長崎県産ゆめのか苺のパフェ」。お花のような飾り切りがワンポイントに。(タカノフルーツパーラー本店5F)

【3月号 特集・柑橘】愛媛県 “せとか”

瀬戸内海と宇和海に面した愛媛県は温暖な気候で、果物栽培も盛んです。
柑橘王国として知られる愛媛県において、この時期おすすめの「せとか」を紹介いたします。

特集メインイメージ

瀬戸内の太陽をいっぱいに浴びて育った「せとか」の果実はとてもデリケート。 果皮にキズがつかぬよう黒いサンテという布をかぶせ、丁寧に育てられています。

「せとか」は「清見」×「アンコール」の掛け合わせに「マーコット」を交配して誕生した品種です。農業・食品産業技術総合研究機構果樹研究所(以下、試験場)が育成し、2001年(平成13年)に品種登録されました。試験場では新品種を育成した場合、各産地で導入試験を行います。その際に愛媛県が「せとか」の栽培に適しており、苗木が多く導入されました。「せとか」の特徴は清見タンゴールのジューシーさ、アンコールの甘さ、マーコットの歯切れの良さを引き継いだ点です。果実は甘さたっぷりで、内皮は薄く口に含むと果汁が口いっぱいに広がります。
高級柑橘として位置づけされている「せとか」は年々人気が高まってきている品種です。生産量も増加傾向にあり、消費・生産ともに今後も増えていくことが予想されます。なんといっても味は非常に甘く、果汁たっぷりな点が魅力的です。皮が薄くしっとりしたなめらかな果皮は高級感にあふれており、ご贈答用にも最適です。
愛媛県は瀬戸内海に面しており、年間を通して温暖な気候が特徴的です。柑橘類全般に言えることですが、「せとか」の花が咲く春先の気温は15℃前後と低くなりすぎず安定した着果を期待できます。また、栽培地は水はけの良い場所、または水はけを良くするよう整備されていますので、高糖度の果実を生産することができます。
「せとか」は外皮がうすく、とてもデリケートな柑橘です。果実にキズが付くと商品価値が下がるため丁寧に育てる必要があり、果実が風で揺れて隣の果実や葉・木などとぶつかりキズがつかないように周りの枝をひもでつるし(固定)ます。また、サンテというストッキングのような布を果実にかぶせ(袋掛けのようなイメージ)、風キズ・日焼けを防ぐことができます。このように愛媛の風土と生産者の努力により美味しい「せとか」が作られています。

  • 特集サブイメージ小
    キズがつかないようにサンテという黒いストッキングのような布をかぶせます
  • 特集サブイメージ小
    光センサーにより糖度が計測される