新宿高野本店

fluitfullifestyle

4月号

2018 April

No.59

熊本県産 “ひとりじめ西瓜” (小玉スイカ)

熊本県は環境省の昭和名水百選にも選ばれた「白川水源」「菊池水源」などがあり、県の水道水の約8割が地下水を利用している、清らかな水に恵まれた果樹栽培の適地。その豊かな環境で育てられているのが、日本一の生産量を誇るスイカです。たっぷりの甘みとシャリっとした食感、そして果皮の薄さが特徴の小玉スイカの「ひとりじめ」のご紹介です。

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熊本県はスイカの生産量が全国一位。そして今回取材に伺った鹿本地域はスイカの一大産地です。夏の果物のイメージが強いすいかですが、熊本県産のすいかは3月下旬から出回り始め、5月中旬に収穫のピークを迎えます。そしてビニールハウスで栽培されているのも特徴です。スイカ栽培歴は50年という大ベテランの片山さんに貴重なお話を伺いました。
小玉スイカ栽培への挑戦は苦難の連続でした。実をつける前に半分以上が枯れてしまうという困難にぶつかりました。片山さんはそれでも諦めることなく、なぜ枯れてしまうのかを熟考し、その理由を突き止めることができたそうです。『大玉のスイカは病害虫に強く、玉太りもするかんぴょうの苗木に接ぎ木します。小玉スイカも同じようにかんぴょうに接ぎ木をしますが、株全体が枯れてしまう青枯病にかかってしまいました。そこで土壌病害に強い冬瓜の苗木に接ぎ木する方法に変更しました。しかし冬瓜はかんぴょうよりも親和性が低く、非常に接ぎ木するのが難しかったんです。そこでクリップを使い、接ぎ木した部分を押さえることを思いつき、それが見事に成功しました。』 片山さんが考案したアイディアにより、今でも小玉スイカの栽培にはこの方法が使用されています。この成功を知ったほかの生産者から、ぜひ栽培技術を教えてほしいという声がたくさん上がり、それをきっかけにJA鹿本の小玉スイカ部会が発足しました。そして何種類も試験用に栽培した結果、素晴らしい食味とシャリ感のある品種ができあがりました。それが「ひとりじめ」との出会いでした。
「ひとりじめ」の栽培が始まったのは平成11年ごろ。出荷が始まったのは平成17年なので今年で13年目。同じ小玉スイカでも品種が違うと性質も違うので、それを見極めることがとても大切です。『「ひとりじめ」の栽培は本当に難しいんです。』と片山さん。特に難しいのが受粉の時期の温度管理です。ハウス内の温度は36~7度に設定して、1週間から10日くらいの間に受粉作業を手で1つ1つ行います。また湿度も高いので、受粉作業は暑さとの戦いです。さらにサイズを合わせるために、同じタイミングで受粉しなければなりません。着果する時期を合わせないと、サイズもバラバラになってしまいます。「ひとりじめ」のベストなサイズに大きさを揃えることは、極めて難しい作業です。着果するタイミングを合わせるために毎回神経を使う作業となります。特に小玉スイカの中でも「ひとりじめ」は2果収穫できるような仕立てをします。3果着果した場合も、必ず厳選して2果にします。それは2果にすることで「ひとりじめ」の理想のサイズに成長するからです。3果でも1果でもだめなところが、「ひとりじめ」栽培の難しさの一つなのです。
片山さんを初め生産者の方の「労力を惜しまず良いものを作りたい」という思い、そして「ひとりじめ」に対する情熱こそが、熊本県産の「ひとりじめ」が高品質である理由なのです。一足早く夏を感じる小玉スイカをぜひこの機会にお楽しみください。

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    全長100m近くもあるハウスで「ひとりじめ」は栽培されています。
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    生産者の片山さんが考案したクリップを留めた「ひとりじめ」の苗。
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    定植する4~5日前の苗木。
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    ハウスで伸びた弦は中央に手繰り寄せて、受粉の準備に取り掛かります。

環境に配慮した農業「くまもとグリーン農業」
麦わら帽子のくまモンと四葉のクローバーが目印‼

化学合成された肥料や農薬をできるだけ減らすなど、安心で安全な農作物を生産しながら、地下水をはじめ熊本の豊かな自然を守り、育むために誕生した「くまもとグリーン農業」。その取り組みを広げるために「生産宣言・応援宣言制度」が作られました。その中の「生産宣言」では申請した生産者の農産物に、麦わら帽子のくまモンの四葉のクローバーのマークが表示できます。全部で6種類あり、後ろのクローバーの緑色が多いほど化学合成された肥料や農薬を減らした農産物の証です。熊本県産の農産物を、ぜひチェックしてみてください。

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