新宿高野本店

fluitfullifestyle

8月号

2018 August

No.63

福島県 “桃”

福島県は浜通り、中通り、会津の3つの地方に分けられるほどの広大な土地に恵まれ、日本で3番目の面積を誇ります。
福島盆地では桃の栽培が盛んに行われており、収穫量、出荷量共に国内第2位です。
代表品種「あかつき」をはじめ、今後を担う品種として期待される「まどか」など、福島県ならではの美味しい桃をご紹介します。

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福島県の桃栽培は、果実に袋を掛けない無袋栽培が中心。 収穫するまで太陽光をたっぷり浴びて出荷されています。

福島県北部の阿武隈川中流部に広がる福島盆地は、桃、ぶどう、りんご、梨、さくらんぼなど多種多様な果物が栽培されています。年間を通して雨量は少なく、夏は高温多湿、冬は寒冷と盆地特有の気候により、様々な果物が栽培できる豊かな土地です。
県を代表する桃の品種といえば甘みと果汁がたっぷりの「あかつき」が有名ですが、次世代を担う品種として注目されているのが「まどか」と9月中旬ころから収穫される「さくら」です。JAふくしま未来 もも専門部会 部会長 橋本淳一さんも期待している品種です。「まどか」は果肉が締まっていて、実が崩れにくく、果汁が多く糖度も高いのでパフェやケーキなどにも、とても合っているそうです。「さくら」は甘みが強くトロけるような食感が特徴。収穫後1~2日ほど冷蔵庫で追熟させてから出荷するのですが、このひと手間により、しっとりとした食味になるそうです。
福島県の桃栽培は、果実に袋を掛けない無袋栽培が中心で、収穫するまで太陽光をたっぷり浴びて出荷されています(品種によっては袋掛けする場合もあります)。
桃を出荷するためには、県では徹底した管理方法が構築されています。園地では殺虫剤を減らすために、人工で合成したフェロモン剤の交信撹乱剤を使用しています。環境に優しい防除剤で、JAでは設置している園地のみ、出荷が許可されています。そして作業した内容を記す栽培管理日誌や、どんな農薬をいつ、どのくらい使ったかなどが分かる防除管理日誌などを生産者が、必ず提出する決まりもあります。現在では問題の無い数値である放射線量も、消費者に安全・安心であることを伝えるために、JAではモニタリングを続けています。安全と分かっていても続けることで、さらに消費者に安心してもらうためだそうです。美味しい桃を食べてもらうために、細心の注意を払いながら出荷しているからこそ、高品質の桃が食卓に届けられています。

岡山県 “白桃”

美しい白肌に、ほんのりピンクに染まった果皮が特徴の岡山県産の桃。
収穫するまで直射日光に当てず、袋をかけたまま栽培するのが岡山では主流の栽培方法です。
高品質な桃を出荷し続ける総社市や、白桃発祥の地でもある赤磐市など岡山を代表する産地が出荷する「白」にこだわった岡山県産の桃をご紹介します。

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収穫まで袋をかけることで、岡山県産白桃ならではのとろけるような食感に!!

関東近郊では、桃の果皮はピンク色に染まっているイメージが強いですが、岡山県産の桃は、透き通るような白さに果頂部だけほんのりピンクに色づいた美しい果皮が特徴です。岡山県では収穫するまで果実が直接日光に当たらないように、袋をかけたまま栽培するのが主流です。雨や風、病害虫から果実を守るために始まった袋がけですが、今では外観や食味を向上させるのに重要な役割を果たしています。果実に直接日光が当たると温度が上がって水分が蒸発しやすく、その分自然の本能で水分を得ようとパイプの役割を果たす繊維が果肉に発達しやすくなります。しかし、袋かけをした岡山の桃は、その繊維が発達していないので、なめらかでとろけるような口当たりが楽しめ、さらに桃特有の甘い香りも強くなります。白い桃の鍵となる袋は、岡山県独自で研究開発をしたり、生産者自らの経験を元に、メーカーに提案して開発したりと、理想的な袋を常に追い求めています。

総社もも生産組合では栽培から選果まで若手が中心となり、クオリティアップに取り組んでいます。

岡山県産の桃のクオリティの高さは、若手生産者の活躍も大きく関わっています。岡山市の北西に位置する総社市では、総社もも生産組合の若手が中心となり、栽培から選果まで一丸となって取り組んでいます。生産者が栽培に専念できるよう、選果の仕方など新たなシステムを考えるなど、研究し進化し続けています。若手の活躍により、熟練の生産者も影響を受け、良い相乗効果が生まれているそうです。こういった努力により、高品質な桃を出荷する優良産地として認知されています。 岡山県を代表する品種「清水白桃」は高貴な香りと溢れ出る果汁が特徴です。そして県内でしか栽培が許されていない、オリジナル品種の「おかやま夢白桃」は大玉で甘みが強く、肉質がきめ細かく、なめらかでとろけるような食感。岡山県産ならではの、見た目が美しく、食味にも優れた高品質の桃をぜひお楽しみください。

大分県 “かぼす”

大分県は「かぼす」の生産量が日本一。国内の栽培面積を9割以上も占める一大産地です。
酸味が強いとされる香酸柑橘の中でも、糖度が高く酸味がまろやかな「かぼす」。
8月から10月にかけて旬を迎える「大分かぼす」の魅力をご紹介します。

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周年栽培技術の開発により1年中、緑鮮やかな「大分かぼす」が楽しめる。

山間部が多く平野が少ない地形にもかかわらず、大分県で「かぼす」栽培が根付いた理由は「かぼす」の特性にありました。
「かぼす」は日照時間をあまり必要とせず、-6℃以下の気温でも生育可能な耐寒性の強い香酸柑橘。大分県のように山間の多い地域でも、栽培が可能だったことも要因だそうです。今では、国内出荷量の95%以上のシェアを誇っています。もっとも風味が豊かになる8月から10月にかけてが「かぼす」の旬です。大分県カボス振興協議会では良質な「かぼす」を出荷するために7月から定期的に果汁割合を測定し、20%以上あると旬になった証となり、「大分かぼす旬入り宣言式」を行うそうです。この「旬入り宣言」をすることにより、高品質な「かぼす」の出荷につながっています。「大分かぼす」は甘みが強く酸味のバランスが非常に良いのが特徴です。焼き魚からお味噌汁まで幅広い料理に合うのはもちろん、ジュースやスイーツにも使用できるのが最大の魅力です。大分県を代表する特産果樹「かぼす」をぜひ味わってください。

熊本県 “秋麗梨”

たっぷりの甘みと豊かな風味、そして上品な香りが特徴の「秋麗梨(しゅうれいなし)」。
果皮全体にまだら模様のサビが入り、美しいとは言い難い見ためですが、そこからは想像できない食味の良さに注目したのが熊本県です。
熊本県イチ押しブランド商品「秋麗梨」のご紹介です。

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熊本県が丹精込めて作った「秋麗梨」

2003年に国育成品種として品種登録された青梨の「秋麗梨(しゅうれいなし)」。果皮全体にサビがたくさん入る見ための悪さから、取り組む産地がありませんでした。そんな中、外観からは想像できない食味の良さに注目した熊本県は、平成19年から導入。しかし他品種の梨と比べ、木の樹勢が弱く、着果も不安定で収穫まで非常に手間がかかりました。木自体を力強く育てるために、生産者は根気よく手入れをするなど、努力なくして収穫までたどり着けない難しさがあったそうです。食味の良さをさらに引き出すために、果実に袋を掛けない無袋栽培にもこだわりました。太陽光をたっぷり浴びることにより、甘さが増します。見ためよりも美味しさを優先し、さらに病害虫から守るために1個1個丁寧に確認しています。その苦労を上回る驚くほどの甘みと、緻密で歯切れの良い果肉、そして西洋なしを思わせる上品な香り。ルックスと味とのギャップに熊本の生産者は魅了され、美味しさを全国に広めたい一心で、労力を惜しまず栽培しています。
「秋麗梨」には熊本県が定めた選果基準があり、クリアしなければ「秋麗梨」というブランド名で出荷することができません。味の素晴らしさに惚れ込んだ職人気質な生産者が手間暇かけて収穫した、今年で10周年を迎える「秋麗梨」をぜひ、お楽しみください。