新宿高野本店

fluitfullifestyle

月号

2015 June

No.25

6月号特集 こだわりのさくらんぼ

山形県村山市は6月に最盛期を迎えるさくらんぼ「佐藤錦」の名産地です。
そしてここで紹介するのは、その佐藤錦の中でも選りすぐりだけを詰めた露地栽培の
「こだわりの黒箱」ができるまでのお話です。

梅雨の時期ほんのひととき顔をだし、あっという間に姿を消してしまう山形県村山市こだわりの「さくらんぼ」。
さくらんぼは別名「桜桃」とも言います。可憐な姿と目に鮮やかな深紅の色。そしてさくらんぼ独特の気品のある甘酸っぱい味が、多くのフルーツ好きに愛されています。
山形県は全国のさくらんぼ出荷量No.1で、約70%強を占めています。山形盆地全体がさくらんぼの産地で、山形県の全出荷量のうち、佐藤錦が占める割合は70%に達しています。佐藤錦は大正元年(1912年)に現・山形県東根市の篤農家佐藤栄助氏により、ナポレオンと黄玉を交配育成され誕生しました。佐藤錦の名前の由来は、この交配育成した佐藤氏に因んでいます。現在では佐藤錦発祥の地を記念してJRの駅名にさくらんぼを冠した「さくらんぼ東根駅」があります。
この全国的にも名の通った山形県産の佐藤錦の中から、本当に良いものだけを選りすぐり、品質の高いものをお客様に届けたいという発想を持ったのが、今から12年前の平成15年、当時JAみちのく村山のさくらんぼ販売担当課長だった冨樫伸弘さんです。究極の選りすぐりの佐藤錦を独自の黒い箱にパッケージングして販売するご提案をいただき、冨樫さんが生産者を4名選出し、平成16年の6月から新宿高野での販売がスタートしました。安定した品質の確保と出荷を実現することは容易ではありません。その後、生産者をさくらんぼ栽培の名人井澤三夫さん一人に絞り込んで、さらに現在では三夫さんの後継者でありご子息の井澤健司さんに引き継がれました。選りすぐりだけを詰めたこだわりの黒箱は、お客様に大変ご好評をいただいております。

裏表無く、さくらんぼ全体が完全に真っ赤に色づいた最高品質に仕上げる。

  • さくらんぼの実は極めてデリケートで、雨水がかかると果肉がひび割れたりするため、雨水が直接さくらんぼにかからないよう露地栽培の佐藤錦の樹上をビニールで覆えるようにパイプの骨組みが設置されています。 
  • 露地栽培の佐藤錦を下から見上げる。
  • 先代のさくらんぼ栽培の名人三夫さんから薫陶を受け、黒箱の唯一の生産者を引き継いだ健司さんですが、品質保持の様々な工夫をされています。特に収穫期の気の使いようは並大抵ではありません。表裏に赤い色の差が出ていない果樹を一枝一枝確認しながら、日の出と同時に畑に収穫に入ります。早朝の気温が低い時間帯に収穫することで、果肉の張りやツヤが断然違うということです。また収穫されたものの中から正に高品質のものだけを選りすぐりますが、ここで力を発揮するのは健司さんの奥様を筆頭に女性達で構成する「詰め子」と呼ばれる方々です。一年間手間暇をかけ栽培し、最後の最後まで手を抜かず、高品質のものだけをお客様に届ける努力は今日も続けられています。
  • 山形県村山市

    ●人口:約2万5千人

    ●隣接自治体:寒河江市、東根市、尾花沢市、河北町、大石田町、大蔵村、舟形町


    県の中心部に位置し、東西22キロメートル、南北15キロメートルの東西に長い形をしています。東を奥羽山脈、西を出羽丘陵に囲まれ、中央を最上川が蛇行しながら北流し、流域には肥沃な土地が開けています。気候は典型的な内陸型で、夏冬の温度差は大きく、年間平均気温は11度前後。冬の寒さは厳しく、気温が零下15度を下回ることもあります。夏は暑く、寒暖の差は大きい盆地型の気候です。

天童市産「天然竹かご入りさくらんぼ」はお客様に大変人気がある商品です。
一方で、毎年安定してお客様に品物をお届けするために天童の産地では、
必要な出荷量を確保するための様々な努力がなされています。

天童市産「天然竹かご入りさくらんぼ」は、新宿高野で毎年6月のさくらんぼの時期にお客様から好評頂いている人気の商品です。JA天童フルーツセンター・滝口哲也センター長は、産地としてこの期待 に応えるべく様々な知恵を絞ってJA天童フルーツセンター管内の生産農家550軒を まわって、安定した品質と収量を確保する努力をされています。特にさくらんぼは収穫できる旬の期間が短いため、少しでも長い期間にわたってお客様がさくらんぼを楽しむことができるよう最大限の努力をされています。ハウス栽培の中で も暖房を入れて収穫時期を早めたものから始まり、露地栽培のものまで、なるべく収穫できる期間が長くなるよう収穫農 家さんをリレーし、さらにさくらんぼの表面に張りがあって、粒のサイズも揃っていて果実全体にむら無く赤く色づいているものだけを選りすぐって、その品質のものだけを確保しています。竹かごへの詰め方も、お客様が食べたときにぱりっとしたみずみずしい状態に保てるよう、 さくらんぼ同士にストレスがかからない詰め方を開発してパッケージングしています。このような産地一丸となった努力の結果、「天然竹かご入りさくらんぼ」は今日も出荷されています。

  • 山形県天童市

    ●人口:約6万2千人

    ●隣接自治体:山形市、東根市、寒河江市、東村山郡中山町、西村山郡河北町

    ●主な産業:将棋の駒(伝統工芸品、国産品95%) 左馬(ひだりうま)の置物、木工家具、さくらんぼ、ラ・フランス


    山形県のほぼ中央部に位置し、市域は奥羽山脈を源 にする立谷川・乱川等の扇状地で、西部は山形盆地 に属する平野部。東部は、奥羽山脈に含まれる山岳 地帯になっています。市の南西部を市域に沿って最 上川が流れ、中央部を流れる倉津川と、北部を流れ る乱川が最上川に合流しています。年間を通じて気 候は温暖で、冬の降雪量も少ないです。

チェリーパイなどで世界的に親しまれているサワーチェリー(酸果桜桃)ですが、日本では輸入ものが多いのが現状です。長野県小布施町では、大変珍しい国産のサワーチェリーを栽培しており、独自のブランド名「チェリーキッス」と名付け生産されています。

栗の名産地として名高い長野県小布施町は、半径2kmの長野県で一番小さな町です。気候条件に恵まれた小布施町は、その扇状地に育つ栗やりんご、葡萄、桃などのフルーツが多く栽培されています。その農産物の中で注目されているのが、サワーチェリーです。サワーチェリーは、さくらんぼの1種ですが、酸っぱくて生食にはむきません。佐藤錦などの生食用のさくらんぼのことを甘果桜桃(かんかおうとう)と呼び、サワーチェリーのような酸っぱい調理用のさくらんぼを酸果桜桃(さんかおうとう)と呼び区別していますが、サワーチェリーの持つこの酸味が加熱し調理することで味にコクが出て、大変魅力的な食材となります。ジャムやフルーツソースにして、アイスクリームやヨーグルトにかけたり、チーズケーキやタルトなど様々なスイーツに利用できます。また、フレンチやイタリアンなど様々な料理の食材・「料理する果物」として注目されています。鮮やかな紅色は、ポリフェノール成分が多く含まれているためです。小布施町では、栽培されている酸果桜桃(サワーチェリー)/ノーススター種を「チェリーキッス」として商標登録して、小布施町の農産物ブランドの一つとして普及推進しています。 チェリーキッスは6月下旬から収穫を始め、町内のレストランやスイーツ店等に提供され、各店が趣向を凝らした珠玉のスイーツなどに生まれ変わります。また、小布施屋(小布施町振興公社)ブランドで、ジャムや焼き菓子などにも加工され商品として販売されています。小布施屋ではチェリーキッスを冷凍した果実も商品として販売しています。自宅で手軽にチェリーキッスを使った手作りジャムやスイーツづくりに挑戦できます。

調理する果物:チェリーキッス。
チェリーパイなどに使われることが多い、長野県小布施町産の大変希少な国産サワーチェリーです。

そのまま食べると酸っぱいさくらんぼですが、加糖・調理するとコクが出て、特に加熱すると香りが立つことから調理用の素材として優れています。ジャムやフルーツソースにしてアイスクリームやヨーグルトにかけたり、チーズケーキやタルトなど様々なスイーツに利用できます。チェリーキッス栽培のそもそもは、さくらんぼ農家の山﨑嘉司さんが台木として使っていたノーススターの木が始まりです。この台木は毎年春に小さな白い花を咲かせ、初夏に深紅色の実をつけていました。さくらんぼは同じ品種の花同士では受粉しにくいため、さくらんぼの園地では必ず台木と呼ばれる別の品種を畑に植えています。 ある年、このノーススターの台木の実をジャムにしてみると大変美味しく、その色の美しさと何とも言えないコク深い味わいに感動し、毎年ジャム作りを楽しむようになりました。知り合いに分けても「おいしい」と好評で、もっと多くの方に味わってほしいと思うようになりました。そして、このさくらんぼに「チェリーキッス 」と愛称をつけ、生産者の会を立ち上げて、初夏の新しい果物として小布施町の名産にしようと活動されています。

  • チェリーキッス生産者の会の皆さん。前列一番左がチェリーキッスの生みの親であり、生産者の会・会長の山﨑嘉司さん。生産者の皆さんは、チェリーキッスだけでなく、リンゴや桃、ぶどう、栗の栽培農家さんでもあります。チェリーキッスは栽培の手間がかからないので助かります、という声も聞かれました。
  • 深紅色も鮮やかに、たわわに実るチェリーキッス。
  • 長野県小布施町

    ●人口:約1万2千人

    ●隣接自治体:長野市、須坂市、中野市、上高井郡高山村

    ●主な産業:農業(栗・りんご・ぶどうが有名)、製菓業(栗菓子など)


    「栗と北斎と花のまち」信州おぶせ。小布施町は半径2kmの中にすべての集落が入る、長野県で一番小さな町です。600年の歴史を持つ小布施栗や、郷土料理が自慢です。住民参加の「花のまちづくり」も盛んで、四季折々に彩る花の美しい町です。気候は中央高地型気候区に属し、最高気温35℃、最低気温は-15℃と内陸盆地特有の激しい寒暖の差がある。